おにぎり猫のものがたり 第三十五話 更新しました

よき夜を 2024.08.09 山の民

よき夜を 2024.08.09 山の民

よき夜を 2024.08.09 山の民

今日も一日、今週も一週間、お疲れさまでした。
大切な時間をお過ごしになられたことでしょう。
昨日の地震で被害を受けられた方に心よりお見舞いを申し上げます。
いまこの時に、安心してお過ごしになれるよう、守られるようにと願います。

8月11日が「山の日」という祝日なのだそうですね。
恥ずかしながら全く知りませんでした。
せっかくですので、今週は「おにぎり猫のものがたり」に登場する、
「山の民」についてのお話をさせて頂きます。

山の民が登場するのは、「おにぎり猫のものがたり」第一巻と第二巻、
A5版に収録している外伝のふたつのお話です。

外伝①「おにぎり屋を始めたこごめという名の娘のお話」
https://mikepunch.net/onigirinekostalespin01/

外伝②
「山の民となった一族のお話」
https://mikepunch.net/onigirinekostalespin02/

どちらも有料記事ですが、途中までお読み頂けます。

外伝1で、主人公のこごめ(小梅の命を助けた&おにぎりの師匠)は、不思議な導きで山の民の元へ行き、おにぎりという食べ物を知り、作り方を教わって街でおにぎり屋を始めて、世の中におにぎりを普及させます。お話の中で、山の民は他の種族との争いを避けるために山にこもり、自分たちだけで集落をつくって生きている種族だと語られます。
外伝2は、彼らが山にこもるに至ったいきさつのお話です。深い闇と傷を自分たちの中に守りつつ、朗らかに暮らす山の民と、その一員である山の猫男につながるお話です。

世間と距離を置いて、山や森にこもって独自の生き方をする存在には、子供の頃から憧れがありました。世間に反発したり、世間を捨てるのではなく、一定の距離を置いて、自分たちの文化と生き方を守りつつ、世間のありようも認めつつ共に生きてゆく。
「おにぎり猫のものがたり」に登場する山の民は、そのような一族です。描いているうちに、自然と私の理想のイメージが形になってゆきました。

最近読んだ本『くらしのアナキズム』の中に、『ゾミア 脱国家の世界史』という本が紹介されていました。国家の徴税や徴兵から逃れるため山の中に住み、独自の文化と暮らしを作り出して生きている人たちがいるとの解説でした。読んだときに、びっくりしました。「山の民」みたいじゃないか、と。そんな生き方をしている部族が、現実にいるということなのかと。知らずに「おにぎり猫のものがたり」が世界の現実とリンクしていて不思議な気持ちになりました。

体制に取り込まれず、自由に、かつ自律して、こつこつ飄々と独自の世界を生きてゆく。そんな生き方をしている存在がいると知るだけで、心が自由になると感じます。
自分が生きているこの世間の現実、自由なようでいて自由ではない、どうかすると心までも統制されかねない。そんな閉塞感をうすうす感じつつ、ここでこの生き方をするしかないのだと、結局は従っている自分に、歯がゆい思いをする。
その思いに風を吹き込んでくる。
「おにぎり猫のものがたり」の中で、山の民、山の猫男は、そんな存在です。

山の猫男が世間の体制から自由でいられるのは、山の恵みを素直に受け取って生き、余計なものを暮らしに取り入れない姿勢によるものです。
山の猫男は第三十五話で言います「山がオレを生かしてくれるから金もいらねぇ」
貨幣経済と関わらず、自分が生きるために必要なものを山から頂いて生きている。
小梅の店のうつわやベンチを作るのは、お金のためではないのです。
山の猫男は、誰にも支配される必要がありません。それゆえ謙虚につつましく自分を生きることが出来ます。

誰もが自給自足の暮らしをすればいいとは思いません。
ただ自分を十全に生きるには、社会のシステムから、ある程度自分を自由にしておく意識は必要と思います。
山や森に引っ込んで暮らしても、今の世では世間から自由でいることは出来ませんが、街中で世間にどっぷりつかりながら暮らしつつ、自分の内側に山の民を持つことは、可能かもしれないと思います。
自分の中にある山の民が、今どう生きようとしているか、心を鎮めて声を聴いて、羅針盤にして生きたいです。

どなたさまも、よき夜を、よき眠りを、よき一週間を。

ご紹介した本

くらしのアナキズム
https://mishimasha.com/books/9784909394576/

ゾミア 脱国家の世界史
https://www.msz.co.jp/book/detail/07783/
(こちらは未読です…)

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◆本日の人さまのお言葉◆

傷や痛みを引き受けながら、
他者や世界に優しさを還元することで、
循環して自分が救われ、強くなることが、
”キロン”のテーマなのだと思っています。

https://x.com/manaka_kotohogi/status/1763210700540018855
補足:キロンは、星読み方面のお話です。ご興味のある方は調べてみてください。
   星読みを知らなくても、この言葉はまさにその通りと、私は思います。
   痛みや傷(心の)は、目を背けるものではなく、受け入れて共に生きて
   自分の力にするものと思います。

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