よき夜を 2023.09.15 絵を描く

よき夜を　2023.09.15　絵を描く

今日も一日、今週も一週間、お疲れさまでした。
大切な時間をお過ごしになられたことでしょう。
秋はどこへいったのでしょう…蒸し暑い日が続きます。
来週こそは…来週こそは…と期待を次週に送る日々。
それでもやっぱり申しましょう。
来週こそは爽やかな秋が来ますよう。

「おにぎり猫のものがたり」第二巻の作業を終えて
12月の個展に向けてこつこつと鉛筆で絵を描く日々を過ごしております。
小さいサイズの猫の絵がたくさん並ぶ展示になる予定です。
会場をイメージしつつ、今この時のわたしが描く猫を描くと決めて
心を鎮めて鉛筆を持って紙に向かいます。
一枚描くごとに「どう描くか」を問い「何を描いているか」を見ます。
描いた絵は”過去”になっているので、今の瞬間の私には物足りなく感じたり
あかんなぁ…と没にしたくなったりします。
描いている時には「これはいける」と高揚感のうちに鉛筆を動かした絵が
あとで見て「なんじゃこりゃ」になる事など毎回です。
絵を描くのは、なかなかに厄介です。
殊に”個展”などという目的を定めていると、もういけません。
無心で紙に向かう自分をキープするのは至難の業です。
枚数を描きためてから個展を考えればよかったものを、
勢いで会場を押さえてしまったのは、諸々の後悔もあっての事です。
自分の背中を押すために、やるしかないのです。

楽しそうに絵を描いているこんぶと、それを見ているおかか。
絵を描くのは本来こういうものだったはずだけれどなぁと思う私と
その地点から先へ進むことを選んだ自分を「ええやん」と思う私と。
こんぶもおかかも、原石のままの自分で居続ける事を選ばないでしょう。
原石を磨く苦難を選んで、成長する自分を楽しむでしょう。
その道を歩くと自然とそのようになってゆくのは、どなたの采配でしょう。
この世界を去る時に「ああよかった、自分よくやった」と微笑みたい
そこが今の私の最終目的地点です。日々こつこつ歩みます。

どなたさまも、よき夜を、よき一週間を。

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