よき夜を 2023.06.02 明日ハ晴レカナ曇リカナ

今日も一日、今週も一週間、お疲れさまでした。
大切な時間をお過ごしになられたことでしょう。
カレンダーを一枚めくった今週
こつこつ歩いて来た2023年の道のりが中間地点を過ぎつつあります。
よくやって来たな、よく歩いて来たなとご自身を労わる週末を。

今日のタイトルは武満徹の名曲「明日ハ晴レカナ曇リカナ」からです。
5月30日(火)の朝ツイートにこんな事を書きました。

https://twitter.com/mikepunch358/status/1663304710173106176

梅雨の季節になると主に洗濯方面の都合で空模様が気になります。
明日は晴れるかなぁ、降るかなぁと、天気予報をたびたび見ます。
その気持がまさにピッタリなタイトルなので引用させて頂きました。

この曲が生まれたエピソードがございます。
かの黒澤明監督のもとで映画「乱」を作っていたスタッフの人たちが
監督がお天気にさえも駄目出し(という表現でいいのか)をされて
天気によって撮影の進捗が左右されるとのぼやきを聞いた武満徹が
即興でこの曲を作ったという事なのだそうです。
そう思って聞くと、ちょっと笑ってしまいます。

とはいえ、そのエピソードを知ったうえで聴いていても
心にぐっとくる名曲であることは変わりません。
「昨日の悲しみ、今日の涙」と心情を語り
「明日は晴れかな曇りかな」と続く歌詞。
空模様を心配しているだけの歌には思えません。

人が内に抱えている悲しみや憂い
それはそれとして、溺れることなく受け入れつつ
空を見上げて明日の天気を思い、自分の一歩を静かに歩み出す。
「明日は晴れかな曇りかな」と口ずさむその顔には
小さな微笑みが浮かんでいるでしょう。

今日の絵は、小梅が若い頃のそんな様子です。
おにぎり店を始めて不安を抱えつつ必死に生きる毎日。
空を見上げて幾度も励まされた事でしょう。
「おにぎり猫のものがたり」が、その空のように
誰かを励ます事が出来れば、とても嬉しいです。

どなたさまも、よき夜を、よき一週間を。

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