よき夜を 2024.08.30 魂の栄養③

◆お知らせ◆
いつもお読み頂きありがとうございます。
事情により、９月から「よき夜を」を、しばらくおやすみにいたします。
「おにぎり通信」は可能な限り金曜日に発行したいと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。

今日も一日、今週も一週間、お疲れさまでした。
大切な時間をお過ごしになられたことでしょう
お気づきでしょうか、8月は明日で終了です。在庫はあと1日だけ。
こんな時に呼んでもいない台風がやってきて長居をしています。
どなたさまもどうかご無事で、ご安全に。

台風の影響だったのか、そうではなかったのか
とんでもなく蒸し暑かった25日の日曜日に
とんでもなく蒸し暑いことで定評がある、京都へ行ってまいりました。
わざわざそんな真似を致しましたのは、魂の栄養補給のためでございます。
念願のコンサートを聴きに行ったのです。
https://rohmtheatrekyoto.jp/event/119782/

以前から極めてファン（つまりは＼推し／）の
パーカッショニスト加藤訓子さんご出演のコンサートです。
スティーブ・ライヒのミニマルミュージックが演奏されました。
（ちなみにスティーブ・ライヒも＼推し／です）
実はこの日のコンサートには、他の用事で行けない予定だったのです。
加藤訓子さんがTwitter(現X)に投稿されるコンサートの情報を見るたびに
応援の気持ちと共に、とても悲しい思いをしておりました。
それが、当日になって他の用事がなくなったのです。

チケットは残ってないに違いない…と、涙目になりながら
おそるおそるサイトにアクセスしてみたら、空席が残っていました。
思いがけないくらいたくさん残っていました。
なんでこのコンサートのチケットが残ってるの！と、再び涙目になりながら
自分にとって良いであろうシートを確保して、大急ぎで身支度をして
京都へすっとんで行きました。

コンサートは、ほんとうに素晴らしく、最高でした。
前半は加藤訓子さんお一人で、多重録音の音声も使っての演奏です。
一曲目から圧倒されて、シビれてしまいました。
この曲です。
https://youtu.be/dM08UOC1Db0
４台のオルガンによる演奏と、
マラカスで同じ音を鳴らし続ける演奏があります。
動画では５人による演奏ですが、加藤訓子さんは１人で演奏されます。
多重録音しておいて、スピーカーから流しつつ、ひとつの部分を生演奏します。
この曲でスピーカーにまかせるのはどこでしょう。

マラカスと、多くの人は思うでしょう。わたしもそう思います。
加藤訓子さんは、マラカスを一定のリズムで同じ音で、15分間鳴らし続けました。
スピーカーが担ったのは、オルガンの方でした。

想像してみてください。
それなりに大きくて重たいマラカスを、15分間、同じリズムでずっと鳴らし続ける。
それを舞台の中央前方で、立って演奏されました。
リズムが少しでも狂えば、音楽全体が台無しになります。
マラカスを振る加藤訓子さんを凝視しながら、緊張感と共に解放感を覚えました。

こんなカッコいいことが出来るのか！と、目が覚める体験でした。
後半の曲「ドラミング」は、全てを人が演奏するのを観るのは、初めてでした。
全てが正確に人の手で演奏されることで生じてくる興奮に、またシビれました。
冷静で正確な演奏、そのための、たゆみない鍛錬。
細部まで正確に作り上げる、強く静かな愛。
人の魂を揺さぶるのは、こういうことだと、久しぶりに体感できました。
わたしも自分を諦めなくていい、がんばろうと、お腹から元気が湧きました。

カーテンコールでは手拍子による音楽「クラッピングミュージック」が演奏されました。
この曲は開演前にホワイエでも演奏されたものです。
スティーブ・ライヒの音楽を知っている人には、お馴染みのリズムです。
そのリズムで手を打つことが出来ます。
自然と客席から手拍子が参加し、会場全体がクラッピングミュージックになりました。
実は私が以前から一度やってみたかったことだったのです。なんと、叶いました。
帰り道で小さくクラップを鳴らしつつ、京都の町を歩きました。
最高な魂の栄養補給になりました。がんばります。

どなたさまも、よき夜を、よき眠りを、よき一週間を。